No.332
バーを譲り受けた経緯
Bar R² は、先代の 藤巻 和平 という人が始めたお店です。
私はその藤巻さんから店をそっくり譲り受けて、カウンターの内側に立っております。
藤巻さんは、私が駆け出しの頃の職場の先輩でした。
当時の仕事はお酒とは縁遠いものでしたが、藤巻さんはよく「お前は人の話を聞くのが下手だから、いつかバーでもやってちょうどいいくらいだ」と笑っておりました。
十数年経って、本当にその通りになるとは、当時の私には思いもよりませんでした。
藤巻さんがこの店を開けたのは、2018年のこと。
私が初めての客として座った夜のことを、今もよく覚えています。
カウンターの端の席で、藤巻さんは何も語らず、ただ一杯のミスティアジンジャーを置いてくれました。
あの一杯が、長らく沈んでいた私の背中を少しだけ押してくれた気がいたします。
この春、藤巻さんは「次の場所に行く」とだけ言い残し、店の鍵と、一冊の古いノートを私に託していきました。お元気にしているとは思うのですが、行き先は私にも知らされておりません。
このブログも、藤巻さんが書き始めたものです。
ご自身のことを三日坊主とおっしゃっていた藤巻さんが300本近く続けたのだから、なかなか辞めるわけにもいかず。
あまり得意ではないですが続けてみようと思います。